米軍に強いられる「感謝祭」- 突如カメラマンを連れて農場で感謝状授与の絵柄撮影、米軍が「占領地」で行う広報戦略が卑劣で姑息でお話にならない件
突然、ヘリ墜落事故の被害者の農場に押しかけてきて、米軍流「感謝祭」を始める米軍にとまどう作業服のままの牧場主・・・、そして嬉々としてこの絵柄を写真にとり、夕方には在日米海兵隊の公式 SNS に投稿する米軍広報戦略が姑息すぎる件。
オスプレイ墜落、ヘリ墜落、
米軍車両での飲酒運転による死亡事故
そして毎週のように続く落下物で自由落下し、
今や威信も地に堕ちた在沖米軍。
なるほど、
そうとう米軍は焦っている。
それが、
昨日の在日米海兵隊の公式 FB を見ての
我々の感想だ。
絶望的なまで見え見えの広報写真を
真昼間から堂々 FB にのせているからだ。
在日米海兵隊 - 東村高江でのヘリコプター事故で、土地所有者の西銘晃さんに多大なるご迷惑と、その後の協力に感謝し、在沖... | Facebook
その投稿があまりに個人の尊厳を踏みにじる
覇権者然とした酷い投稿なので、
見ている側のこちらの気持ちも萎えるくらいだ。
米軍の広報戦略というものは
どういう姑息な手口を使うのかということ、
皆さんにもぜひそのパターンを
理解していてもらいたいのだ。
被害我慢で「感謝状」? 高江米軍ヘリ炎上 「何に対して」地主困惑
【東】沖縄県東村高江の米軍ヘリ不時着・炎上事故で、在沖米軍は15日、事故現場となった牧草地地主の西銘晃さん(64)に感謝状を贈った。米軍から事前の説明はなく、突然の感謝状に西銘さんは「あきれて物が言えない。我慢してくれたから感謝状なのか。何か自分から協力したわけでない。何に対する感謝状なのか」と話し、困惑している。
西銘さんによると、村長、区長と一緒に北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧に同日来てほしいと、村役場を通じ招かれていたが、西銘さんは多忙を理由に断っていた。この時は「食事会」との説明だったという。
米軍側から15日午前9時ごろ「北部訓練場への通りすがりに寄りたい」と電話があった。その際は理由を言っていなかった。
約30分後に米海兵隊政務外交部長のダリン・クラーク大佐が西銘さん宅を訪れ、ニコルソン在沖四軍調整官名の感謝状を渡した。米軍はツイッターの投稿で「多大なるご迷惑と、その後の協力に感謝」と趣旨を説明している。
被害を受けた牧草地は、日米が補償する方針だが、まだ原状回復はされていない。
いったい何の感謝状なのか、まだあの事故から二か月もたっていない。そして農地を占領され踏みにじられ、豊かに肥やし作ってきた土すら持ち去られ、いまだ補償もされていないのに ?
米兵のポイ捨てたばこやガム 緑の水たまり、残骸も散乱したまま 東村高江のヘリ炎上現場 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
2017年10月21日 15:11
【東】東村高江の民間地に米軍大型輸送ヘリコプターCH53Eが不時着・炎上した事故で、現場周辺には21日午前、事故機の小さな残骸が散乱したままになっていることが分かった。さらに米兵が捨てたとみられるたばこの吸い殻やガムなども残されていた。米軍は機体を回収し、20日午後6時33分に現場の外周、内周規制線を解除した。
20日までに米軍が土砂を掘り起こし、搬出した場所は7枚のブルーシートで覆われていた。付近には黒く焼け焦げた事故機の一部と見られるものが無数に散らばっていた。また黄緑の蛍光色の液体による水たまりが少なくとも4カ所確認できた。
現場を訪れた地権者の西銘晃さん(64)は「こんなことは初めて。急なことで判断が付かない」とぼうぜんとした様子で話した。その上で「緑の液体や残骸は本当に大丈夫なのか。早く原状回復してほしい」と話した。
内周規制線内で米軍がテントを設置していた場所の付近ではたばこの吸い殻やペットボトル、吐き捨てたガムなどが数多く確認された。たばこを吸わない晃さんは「これはマナーの問題。あまり良い気持ちはしない」と話した。
晃さんの妻、美恵子さん(63)は「兵士など、現場にいる人の振る舞いはその人の上司や組織の影響を受けていると思う。米軍が沖縄をどのように見ているのかが、ごみのポイ捨てなどで分かる」と話した。【琉球新報電子版】
状況を整理しよう。
西銘さんは米軍基地の「食事会」に招待された、
しかし「忙しい」といって断った。
ところがそれでも米軍は電話をかけてきた。
目的は「食事会」ではないからだ。
米軍は西銘さんに「北部訓練場に行く途中にちょっと寄りたい」と告げた。目的は告げてない。
なんと、そのわずか30分後だ。
米軍の一団はカメラを引き連れ農場にやってきた。
農作業中の西銘さんは作業着のまま対応。
むこうはカメラをこちらに向け写しているのだ。
あなたならどうするだろう。
仁王立ちして怒って塩を撒くか、
カメラは貴方の姿をとらえ永遠に利用するだろう。
だから、ただ茫然と愛想笑いするしかない。
あの 映画 Denial「否定と肯定」を思い出させる。カメラクルーをひきつれて授業にいきなり入りこんできて議論を吹っ掛けるが、いきなりカメラをむけられて論理的に語り行動できる人は少ない。カメラクルーが撮りたかった絵柄を撮影し、それが政治利用されていく。
米軍の目的とは、
年末のお食事会でも
ヘリ墜落で焼かれ削りとられれた農地の補償の話でも、謝罪の話ですらなかった。
米軍広報のため、
西銘さんと握手する米軍の絵柄。
その写真1枚をとることが目的だった。
電話連絡から30分後、
怒涛のようにやってきて、農作業中の西銘さんを立ち止まらせ、即席の「感謝の儀式」の場面をバシャバシャとカメラに収め、そしてまた、バタバタと立ち去っていった。
その、何の誠意もない訪問に、
当惑し憤慨し、再びさらに尊厳を踏みにじられたと感じる、その西銘さんの気持ちがあなたに想像できるだろうか。
米軍は、西銘さんの農地をタイヤ痕と緑の汚染水と煙草の吸殻で散らばしただけでは飽き足らず、
米軍広報だけが目的で
都合のいい写真を撮るためだけに
カメラをむけて土足で西銘さんのプライバシーに踏みこんできたのだ
そしてもうその日の夕方五時のことだ。
西銘さんの三枚の写真が広報として使用される。
FB だけで 186もシェアされているが、
西銘さんはまったく笑ってなどいない。
困惑しているのだ。
https://www.facebook.com/mcipacpao/posts/1933299960032907
突然相手の名刺を渡され薄っぺらな感謝状を渡され、さんざん写真撮られて、何がうれしい?
西銘さんもこう言っている。「あきれて物が言えない。我慢してくれたから感謝状なのか。何か自分から協力したわけでない。何に対する感謝状なのか」
まずは謝罪と補償、そして西銘さんが育てた土を米軍はどこに持ち去り、どのように処分したのかということを説明することではないのか。
しかし、
米軍に相手の気持ちや尊厳、
写真の背景や真実などは一切関係ない。
必要なのは使える絵柄と構図なのだ。
この戦略は
昔からある米国産フェイクニュース戦略。
感謝祭へのご招待。
そのトラップの歴史は古い。
なんと 1621年にさかのぼる。
感謝祭に呼ばれたら気をつけろ !
日本の世界史でも「ピルグリム・ファーザーズ」のことを学んだかもしれない。1620年、メイフラワー号で「新大陸」に到着した英国の入植者たちは、実は最初の冬を越せずになんと半数近くが飢餓と病気で死んだ。
もし近隣の先住民が食糧や物資を援助し面倒を見ていなければ、また先住民は作物などの作り方や魚のとり方などを白人に教え、生きるすべを教えなければ、プリマス植民地の白人は確実に全滅していただろう。
それでなんとか一年を生きのびた半数のぼろぼろの白人たちが、一年後1621年の秋に、せめてものお礼にと先住民を感謝のお食事会に招待した。それが今の感謝祭 (Thanksgiving Day) の始まり・ルーツだと言われる。白人植民地によばれた先住民は、死にかけの白人を助けてきた優しい人たちなので友好の証として招待をことわらなかった。
しかし、そのことを後の白人が描けば、こういう構図になる。これほど豊かであったなら、冬に半数が死ぬわけもないから、それ自体でもう偽絵だが、この絵を見たら、ピューリタンを助けてきた先住民たちは皆、グソーから怒りの声をあげるだろう。
遠近法の中央に白人男性をすえ、白人女性、その下に先住民と子どもと犬を配置する。この構図そのものが白人男性中心主義のハイアラーキーを表す。祭りに招待された先住民は、その底辺で犬と同列に地べたに座らされ、施しをもらったように描かれる。
そして、歴史のファクトよりも、この構図が独り歩きし始める。その背後にある思想が流布するようになる。実際には、食べ物をめぐんでもらっていたのは白人入植者だったにもかかわらず。
被害をかけたことに
謝罪するのではなく感謝する。
そして何の価値もない紙きれをもってやって来る。
だから、
米軍の「感謝」に招待された時には気をつけろ。
彼らは都合よく構図を作り替え、都合のいい写真を選んで政治利用する。末代まで末永くポルノかなにかのように愛用される。
西銘さんは「食事会」にはいかなかった。
それでも彼らは絵柄がほしくて農場まで押し掛けた。
これが米軍広報のやり方である。