Osprey Fuan Club

~ 沖縄の歴史から現代の政治まで ~

「人間の安全保障」を守らない無責任米軍 ~ 米国防総省が駐留米軍にコロナ感染状況を地元に報告するなと命令している件

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安全保障 (security) とは何なのか、

もういちど我々は深く考え直すべきだろう。

 

昨日、米軍が沖縄県に米空軍嘉手納基地内のコロナ感染者とその対応状況について情報を出していない件について扱った。

 

嘉手納基地の英語版 facebook で知らされる米兵コロナ感染の情報。許すまじ。

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無責任すぎる嘉手納基地 コロナ感染の米兵について SNS で英語で報告だけ 県側の情報提供要請に対応せず - 在沖米軍基地事件簿

 

で、今日気がつけば、案の定、ペンタゴン (米国防総省) が、米軍駐留地の地元にコロナの感染状況を報告するなと命じていた。

 

星条旗新聞から ↴

Pentagon orders local units to stop reporting coronavirus infections amid security concerns - Europe - Stripes

国防総省は、安全保障の懸念のただ中で、コロナウイルス感染の報告をやめるよう地元の部隊に司令した。

 

 

 

日本はまだあまり危機感がないようだが、アメリカはいまこの状態であり、世界で最も発症例の多い国になってしまっている。ぜひアクセスしてご覧になってほしい。

 

https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries

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今、在日米軍内のコロナ感染者数の数は「公式には」6名とされている。沖縄2名、神奈川4名、実際には横須賀は5名のようだが。

 

在日米軍もそうであるが、パスポートと通常の入国手続きを必要としない、米軍の人と物の流動性を考えると、十分に世界のウィルス感染ルートの一つとしてチェックされなければならない。

 

と・こ・ろ・が、

 

国防総省が、地元に報告しないようストップをかけているというのだ。

 

【時間の都合上、適当な訳で勘弁してください】

The Pentagon on Sunday ordered the home of U.S. European Command to stop reporting the number of coronavirus infections within its military community in a move that could reverberate across all U.S. forcesThe Army in Stuttgart said it can no longer release the number of coronavirus cases based on a Defense Department directive that cited operational security concerns.

国防総省は、日曜日、駐留する米軍全体に及ぶ動きとして、米軍内のコロナウイルス感染の数を地元に報告することはストップするよう米欧州司令部に命じた。シュトゥットガルト駐留の陸軍は、軍事作戦上のセキュリティーの懸念を引きあいにだした国防総省の指令に基づき、もはや、コロナウイルスの感染事例の件数を公表することができないといった。

 

The decision comes amid a spike in infections within the military and concerns that the combat readiness of the force could be put at risk by the fast-moving virusSuch concerns came into focus last week when the USS Theodore Roosevelt aircraft carrier was forced to pull into port in Guam because of a coronavirus outbreak among its sailors.

この国防総省の決定は、軍内の感染の急増と、軍の戦闘即戦力が急速に拡大するコロナウイルスによって危険にさらされるかもしれないという懸念のただなかでなされたものである。

そのような懸念は先週USSセオドア・ルーズベルト空母がその船員の間でのコロナウイルスの大流行のためにグアムの港に逗留することを余儀なくされたときに注目を浴びたものです。

https://www.stripes.com/

 

米軍がここで、コロナ感染の情報を出さない理由として挙げているのは、軍事作戦に関する安全保障上の懸念、つまり軍の戦闘即戦力が影響を受けているということを表に出すことが、軍事上の懸念材料になるということだろう。

 

つまり、米軍は

この局面にいたっても、

 

人間の安全保障 (human security) をなげすてて、軍事的な自国の安全保障 (national security) を優先しているわけだ。

 

駐留地の感染拡大など、どうでもいいということだろうか。あまりに無責任である。

 

人間の安全保障とは、

この際、我々もしっかりと学んでおきたい。

 

人間の安全保障がなければ、国家安全保障など、なんの意味もない、ということを。

 

https://www.unic.or.jp/activities/humanitarian_aid/human_security/

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特に最近10年間の脅威の変遷により、私たちの安全に対する理解は大きく変わりました。冷戦の終結以来、私たちは国際紛争や国内紛争だけでなく、慢性的にはびこる貧困や気候変動関連の災害、組織的犯罪、人身取引、流行病、そして急激な経済・金融危機によっても、数多くの人々の暮らしが脅かされる姿を目にしてきました。

これら新旧の課題は、全世界で非常に多くのの生命と生活にとって、深刻な脅威となっています。国家安全保障が平和と安定に不可欠なことに変わりはありませんが、現在の複雑かつ多次元的な課題の影響は、私たち一人一人が、分野横断的な幅広い脅威のリスクの高まりに対して脆弱であることを明らかにしています。内的要因によるものか、外的要因によるものかに関係なく、今日の脅威は、安全が脅かされうる状況が国内で、そして国境を越えて一気に拡大し、さらに解決困難な危機となって、個人の安全はおろか、より幅広い国家、地域および国際レベルの安全が脅威にさらされることも多くなっています。

その一方で、安全が脅かされうる状況を取り除く機会も、以前に増して高まっています。これまでになかった資源と技術の組み合わせにより、私たちには人間の安全保障の実現に向けて、目に見える前進を遂げるための手段、知識、そしてリソースが備わっているからです。こうした機会を活用するためには、人々の生存、生活、尊厳が現地、国内、地域、国際の各レベルで平和・開発・人間の進歩の礎をなすような新しい枠組みが安全保障に必要だと、政策決定者と実務者が認識しなければなりません。

 

続きはアクセスして読んでください。

人間の安全保障 | 国連広報センター

 

youtu.be

 

 

米軍は、明らかに「人間の安全保障」を守る気もなく、自国軍の即戦力ばかりを重視して、コロナ感染の情報を出さないよう指令している。

 

まさに米軍基地は人間の安全保障にとっての最大リスクのひとつである。

 

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情報を隠蔽し、万が一、感染経路が米軍基地で拡散したとしても、何の情報も出す気がなければ、なんの責任も取らないつもりだ。

 

あまりに無責任すぎて気分が悪い。

 

 

gendai.ismedia.jp