佐藤正久議員のツイートは、誤訳のガセか「機密」漏洩か ~ 安保法制の下での日米軍一体化は、同時に機密の一体化も意味するということについて
さて、
1月25日、米軍機 MH-60 の墜落事故。
米軍準機関紙『星条旗新聞』ですら CRASH (墜落) と報じているというのに、
こと日本のメディアがよゐこの大本営発表さながら、意味不明な「着水」という言葉を津々浦々に氾濫させている、あの事故に関して
もう一つ、不可解な事象がある。
【米軍ヘリ、沖縄本島の東の海上に着水…自衛隊が救助活動 】米軍ヘリが沖縄本島東約180㎞の公海上に着水。搭乗員5人は日米が協力して自衛隊3名、米軍2名を救助。米軍施設等に移送。現時点では、大きな負傷はない模様です。本当に良かった。ありがとうございます。
午後10:39 · 2020年1月25日
自衛隊3名、米軍2名、とはいったいどこから出てきた情報だろうか。彼が同時に添付している読売新聞の速報と読み比べてもらいたい。そんなことは、どこにも書いてないのである。
2020/01/25 22:03
25日午後4時25分頃、米海軍第7艦隊旗艦「ブルーリッジ」所属のMH60ヘリコプター1機が、沖縄本島の東約180キロの公海上に着水した。防衛省沖縄防衛局によると、自衛隊や海上保安庁、米軍が救出活動にあたり、乗員5人全員が救助された。命に別条はないという。
事故の原因や乗員のけがの有無などは、米軍に確認中としている。
元自衛官で、防衛関係の要職を歴任し、現在も自民党国防議連事務局長、そして参議院外交防衛委員長の佐藤議員。
まさか読売新聞を読んで事件を知るわけがない。彼は、読売新聞速報よりも早く、いや、どの議員よりも早く、その筋の「情報元」から情報が入っていただろうはずである。
佐藤議員は、読売よりも30分早く公開された第七艦隊の広報を読み、その英文を「誤読」したのであろうか、いやそれとも、全員救助の知らせに歓喜し、ついつい立場上知りえていたかもしれない「事実」をつぶやいてしまったのだろうか。
佐藤氏のツイートは現在も削除されず、そのままである。
【米軍ヘリ、沖縄本島の東の海上に着水…自衛隊が救助活動 】米軍ヘリが沖縄本島東約180㎞の公海上に着水。搭乗員5人は日米が協力して自衛隊3名、米軍2名を救助。米軍施設等に移送。現時点では、大きな負傷はない模様です。本当に良かった。ありがとうございます。 https://t.co/9yHoyWtMgU
— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) 2020年1月25日
しかし、なぜ我々が佐藤議員のツイートを気にかけているのか、実は、そこには一つの理由がある。
それは、5年前にも今回の事故とぴったり符合するようなそっくり墜落事故が起こっているからなのだ。
ospreyfuanclub.hatenadiary.com
2015年8月12日、
① 沖縄の東沖で
② 米軍特殊作戦ヘリMH60が墜落
もし佐藤氏のツイートがガセでないなら、① と ② だけではなく、③ まで符合するということになる。
そして問題になったのは、なぜ自衛官は「そこ」にいたのか、ということだ。
後にわかったことは、
12日に沖縄本島東海岸のうるま市沖の海域に墜落した米陸軍ヘリMH60に乗り込んでいた陸上自衛隊員2人が防衛相直属の中央即応集団所属の2等陸曹で、同集団のなかでもテロリストの攻撃などに対応する特殊作戦群の隊員であることが分かりました。
陸自の特殊部隊の隊員が米軍の特殊作戦の訓練に日常的に参加していた実態が今回の事故で浮き彫りになりました。
という日米軍一体の実態だった。
その事実を受け、5年前の8月、既にリテラはこのように危惧していた。
言うまでもないが、現行の自衛隊法では、海外での自衛隊の活動は限定されており、これは安保法制後の自衛隊の活動の先取り訓練とも言える。法案成立の暁には、現実にこうしたシチュエーションで、自衛隊員がアメリカ兵と共に死亡するケースも起こるだろう。
しかも恐ろしいのは、そうした場合でも、今回のうるま市沖でのヘリ墜落事故と同じように、その原因解明や詳細にいたる報道がシャットアウトされてしまう可能性が極めて高いことだ。なぜならば、安保法制のもとで実現するアメリカとの軍事一体化は、同時に機密の一体化を意味するからだ。
米軍ヘリ墜落事故でわかった安保法制もうひとつのリスク...自衛隊員が戦死しても真相は隠蔽される! (2015年8月20日) - エキサイトニュース
そして、
皆さんがご存じのように、この記事からちょうど一ヶ月後の2015年9月30日、安保法案は「改正」された。
われわれは既に次のフェーズにいる。
つまり新安保法制のもとで日米軍は一体化され、そして日米地位協定まで利用して、日本政府はわれわれが知るべき情報を隠蔽することができる、ということだ。
日米地位協定を利用してすっぽりと隠れ身の術でブラックボックスに入っている在日米軍、その米軍機密の中に隠れて日本の軍事化が進められている。
機密の入れ子構造である。
そして、やりたい放題の米軍の中に日本軍をかくまってもらえばもらうほど、そのためにますます日本は米軍のいいなりになる。
マトリョーシカの子ども、それが日本の「軍」
そういう「しくみ」が既に動き出している。
さて、
みなさんはどう思うか。
自民党国防議連事務局長ならびに参議院外交防衛委員の佐藤正久議員は「勘違い」をしたのか、
それとも、日米合同の特殊作戦訓練で再び墜落事故が起こったという「機密」を漏らしてしまったのか。
どちらなのか。
それも、われわれにはまったく知ることのできないブラックボックスの中だ。
なにせ、自衛隊も救助活動したはずの米軍ヘリ「着水」の写真すら、一枚たりとも、われわれに示されてはいないのだから。
国民の反対をよそにムリ買いした自衛隊オスプレイも、日本に置く場所すらないので米国本土の米軍基地で訓練。だからなのか、日本が米軍と米軍オスプレイに言いなりなのは。
佐藤議員による自衛隊の「真実」