- 米海兵隊による鳥島の劣化ウラン弾「誤射」事件
- 被ばくを恐れ調査せずも、他国には劣化ウラン弾を使用する米国の闇
- ほとんど未回収の劣化ウラン、日本の文科省は「問題なし」の報告書
- 我々は誰を信じればいいのか。米軍か、日本政府か。
- 核のゴミ爆弾を放置したまま、鳥島を空対地射撃し続ける米軍
静かな町並みと緑濃く海光る自然豊かな久米島。
そこから約20km北にある小さな島が
鳥島だ。
鳥島は、米軍の射撃訓練場 (空対地射爆撃訓練) になっているため、常に赤く地面がえぐられ痛々しい。
FAC6077 鳥島射爆撃場(Tori Shima Range)
それだけでなく、
鳥島は、1995年~1996年に、米軍機によって大量の劣化ウラン弾を撃ち込まれ、被ばくした島でもある。
米海兵隊による鳥島の劣化ウラン弾「誤射」事件
米軍によると、1995年12月と翌年1996年1月、岩国駐屯の海兵隊は、那覇から100km沖の鳥島で、3回にわたって日本で使用が禁止されている劣化ウラン弾 (depleted uranium ammunition、略称DU)1520発を撃ち込む訓練を行った。という。これは「誤射」なのだろうか。
劣化ウラン弾 (DU) とは、
劣化ウランは核燃料として濃縮ウランを製造する際にできる残渣であり、これを砲弾として加工する。劣化ウランの比重は鉄の2.5倍で、合金化し対戦車用の砲弾・弾頭として使用される。劣化ウラン弾が命中すると運動エネルギーが熱エネルギーへと変換され、対象に貫通する際の先端温度は1,200度を越え溶解し、劣化ウランは微細化して飛散、これでもかと空中に撒き散らされる。
劣化ウラン弾は ① 化学的な毒性を持つ重金属であるため、重金属毒性を持つ ➁ ウラン同位体から構成される放射性物質である。物質としては天然ウランよりも比放射能は低いといわれるが、前述のようなプロセスで兵器として燃焼と飛散により拡散することを考えれば、劣化ウラン弾がどれだけ非人道的な兵器かということは自明である。
以上のことから、劣化ウラン弾は、核爆弾を起こさずに放射性物質の散布による破壊や負傷を引き起こす、典型的な放射能兵器(radiological dispersion device, RDD)に定義される。しばしば汚い爆弾とも呼ばれる。
1991年からの湾岸戦争で、現地の多くの子どもたちの先天性障害や出産異常と、湾岸戦争症候群(Gulf War Syndrome)と呼ばれる米英軍をはじめとした多国籍軍兵士に多くの原因不明の症状が現れたことから大きく問題化されるようになった。
BBC NEWS | In Depth | US to use depleted uranium
< translated by Osprey Fuan Club >
重金属ウランを溶解させ空気中にまき散らし、放射能汚染を拡散する劣化ウラン弾は、核分裂を伴わないという点で核兵器 (neuclear weapon) ではないと主張する者たちもいるが、放射能をバラ撒く放射能兵器 (radiological weapon) であることは間違いない。
非核三原則の日本に、なぜ米軍は我々に許可なく、つるりとこうした放射能兵器を持ち込み、大地や海に撃ちこんだまま放置して知らん顔をしているのか。
また、この鳥島での劣化ウラン弾使用に関して、日本側への通報が遅れたのは、どの物質を通報が必要な有害物質か規定する米軍日本環境管理基準(JEGS)に劣化ウランが含まれていなかったーなどと言い訳する。
枯葉剤だけではない。
おそろしい生物兵器や細菌兵器も、リストにのってなければ、見つからなければ、いくらでも日本国内の米軍基地に勝手に持ち込んで訓練してもいいという理屈だ。
世界における劣化ウラン弾の使用地域を見てみよう。
Depleted Uranium Lists and Links | Energy Justice Network
アメリカが三十年で戦った戦場と、ネバダやプエルトリコ米軍基地と、そして沖縄だ。
復帰前に沖縄に配備されていた1300発の核兵器と核兵器投下訓練だけではない。
本土復帰した後でも
在日海兵隊はわざわざ岩国から
沖縄に劣化ウラン弾を撃ち込みにやってきた。
被ばくを恐れ調査せずも、他国には劣化ウラン弾を使用する米国の闇
今でもアメリカ政府は劣化ウラン弾の健康被害を認めたがらず、なんと 2015年にも ISIS 攻撃の際でもシリアで使用した。
そんなに劣化ウラン弾が安全だというならば、
なぜ、米軍は兵士の被ばく被害を恐れ、鳥島の劣化ウラン弾環境調査をしなかったのか。
米軍は、鳥島に劣化ウラン弾を撃ち込んだあげく、一年にわたり日本側に報告もせず、未回収の劣化ウラン弾は発射1520発のうち1273発。劣化ウラン総重量は計188・4キロ。
その後、兵士の被ばくを恐れてろくに環境調査もせず、いいかげんに回収もしなかった。
それでいて、米軍は今も空対地射撃訓練で、この島を上空から銃撃し続けているのだ。
沖縄に
核ゴミ爆弾を放置したまま。
劣化ウラン弾の特性は、燃焼し微細な塵となって拡散し、空気や地面や海を汚染する。
久米島から 20km しか離れていないこの島で、射撃場として米軍に占領された米軍基地の島に、民間の調査団体は入ることすら許されない。
今回、ジャーナリスト、ジョン・ミッチェル氏が書類開示で明らかにした衝撃の内容だ。
米軍、被ばく恐れ調査せず 沖縄・鳥島の劣化ウラン弾誤射 政府の説明と矛盾
2019年5月8日 07:17
・1995年と96年に鳥島射爆撃場で米軍が劣化ウラン弾を計3回誤射
・米軍は被ばくを恐れ少なくとも2010年9月まで島の環境調査せず
・「鳥島に立ち入っても影響は小さい」とする日本政府の説明と矛盾
【ジョン・ミッチェル特約通信員】1995~96年に米軍機が鳥島射爆撃場(沖縄県久米島町)で劣化ウラン含有弾を誤射した事故の後、米空軍が兵士の被ばく懸念から少なくとも2010年9月まで鳥島での動植物の生息状況や水質などを調べる通常の環境調査を実施していなかったことが分かった。米国情報公開制度で本紙が資料を入手した。
1999年の米空軍報告書に記載された図からは、米軍が鳥島の劣化ウラン汚染の危険度を最も深刻な「クラス1」から「クラス3」まで3段階に分類していたことが分かる
日本政府は1997年、誤射について「鳥島に立ち入ったとしてもその影響は十分小さい」との調査結果を公表。2002年にも「影響は無視できる」としたが、同射爆撃場を管理する米軍側の評価はこうした地元への説明と矛盾していることが明らかになった。
また報告書によれば、未回収の劣化ウラン弾は発射1520発のうち1273発で、総重量は計188・4キロだった。弾丸にはウラン234、同235、同238の3種類の同位体が含まれており、大部分を占めるウラン238の半減期は約45億年。
米軍岩国基地(山口県)所属の海兵隊機が1995年12月と96年1月に計3回、劣化ウラン弾を鳥島射爆撃場に誤射した。米空軍の資料によると、米軍はその際に鳥島を調査したが、わずか192発(13%)しか回収できなかった。
米政府は事故について97年1月、日本側に通報。その後、日本政府と米軍によるチームが島を捜索したが、新たに回収された弾体は55発のみだった。
日本側への通報が遅れたのは、どの物質を通報が必要な有害物質か規定する米軍の日本環境管理基準(JEGS)に劣化ウランが含まれていなかったのも一因とみられる。米軍は現在も鳥島を射爆撃場として使用し続けている。
外務省は7日までに沖縄タイムスの取材に「当時、米側と鳥島の陸域部分でも調査を行っており、外務省から調査結果などを発表している。今回の件について詳細は確認中」と答えた。
米空軍嘉手納基地は7日までに返答しなかった。
[ことば]劣化ウラン 核兵器や原子力発電所用燃料製造時の副産物として生成され、弱い放射能のほか水銀や鉛のような重金属としての毒性も持つ。兵器としては貫通力を増すための弾芯などとして使われ、イラクでは、1991年の湾岸戦争と2003年のイラク戦争における米軍の劣化ウラン含有弾使用が、現地の子どもたちの白血病や先天性奇形の増加と関係があるのではと指摘されている。
いつものことだが、
返答なしという「トモダチ」在日米軍。
ほとんど未回収の劣化ウラン、日本の文科省は「問題なし」の報告書
使用された劣化ウラン弾のほとんどは回収することができず放置された。また米軍は兵士の被ばくを恐れて通常の調査業務もしていなかった。
ところがである。
その事件を釈明する日本政府機関の資料は実に楽観的である。
劣化ウランの毒性は、身の回りの海水や土砂中に存在するウランと同じ又はそれよりも毒性は小さい。環境調査の結果、劣化ウランによる影響は全く認められない、などと報告している。
日本の文部科学省防災環境対策室のホームページを見てみよう。
平成7年12月と平成8年1月に、在日米軍の航空機が、鳥島射爆撃場での訓練中に、米軍の規則上我が国の訓練場における使用が禁止されている劣化ウラン含有弾1520発を誤って使用しました。
平成9年1月、日本政府は米国政府の通報を受け、米国政府に対し遺憾の意及び再発防止を申し入れ、本件に関するさらなる情報の提供を申し入れるとともに、平成9年2月から3月にかけて、環境調査を実施し、総合評価を行いました。
総合評価の概要は、以下のとおりです。
1) 劣化ウランの毒性は、身の回りの海水や土砂中に存在するウランと同じ又は小さいです。
劣化ウランの毒性は、重金属としての毒性と放射線による影響に分けられます。このうち、重金属としての毒性については自然環境中にもともと存在するウラン(いわゆる自然のウラン)の毒性と全く同じです。また、外部被ばくによる放射線量の寄与については、劣化ウランがガンマ線を放出し線量に大きく寄与する娘核種を含まないため、自然のウランに比べて100分の1程度と小さいものです〔解説1、解説2〕。
2) 環境影響の評価結果は、海水中の自然のウランの濃度や私たちの身の回りの自然放射線と比べても問題ありません。
未回収の劣化ウラン含有弾から劣化ウランが仮に全て放出されたとしても、その濃度や放射線量は、自然環境中の海水にもともと存在する自然のウランの濃度や私たちの身の回りの自然放射線に比べても極めて小さいものです(海水中の自然のウランの濃度に比べ約1000分の1、自然放射線に比べて約1000分の3)。したがって、劣化ウラン含有弾による環境影響は無視できるとの評価結果であり、問題ありません〔解説3、解説4〕。
3) 環境調査の結果、劣化ウランによる影響は全く認められませんでした。
実施された環境放射能調査結果においても、劣化ウランの久米島など周辺環境への影響は全く認められず、上記の評価が再確認されています〔解説5〕。5年間にわたる調査においても、劣化ウランによる環境影響は全く認められませんでした。
上記調査を含め、その後、平成14年まで5年間にわたり実施された環境調査結果では、いずれの年においても劣化ウランの環境影響は全く認められず、劣化ウランの環境影響は無視できるとの結論がくりかえし再確認されています。
また、平成14年が調査期間5年目の節目に当たることから、劣化ウランに係る毒性についても改めて精査しましたが、上記の総合評価の結論は、全く変わらないことを確認しています。
米軍基地として接収された以上、民間でこの島を調査することも、あるいは近づくこともできない。
それが米軍基地というものだ。
我々の生活のすぐそばにあり、
なかでどんな恐ろしい汚染が展開されていようと、
我々には何の調査権もない。
で、
あなた方は、
どちらをしんじるだろうか。
クラス 1 という最も深刻な放射能被害をマップに記し、被ばく被害を恐れて最近まで調査をしなかった米軍と、
調査はしたけど、劣化ウランの影響は全くない、と長々とした報告書を添えて出してくる日本政府、文科省防災環境対策室と。
我々は誰を信じればいいのか。米軍か、日本政府か。
我々は、
どちらを信じるべきなのか。
米軍の劣化ウラン爆撃訓練は、本当に三回だけの「誤射」だったのか。なぜ劣化ウランがろくに回収されなかったのか。なぜ日本への報告は遅れたのか。
そもそも、なぜ劣化ウラン弾が日本の米軍基地に持ち込まれたのか。
米軍と共同で調査したはずなのに、まったく被害が認められなかったという日本政府の調査結果は、いったいどこから導き出されたのか。
米軍基地は、
まさに闇。
答えはすべて藪のなか。
米軍も日本政府も
簡単にウソで固めて装備できる。
「データ示し矛盾解明を」「政府の判断納得できず」識者ら指摘 劣化ウラン弾誤射
2019年5月8日 18:18
米軍機が鳥島で劣化ウラン含有弾を誤射した事故で、米空軍が2010年まで被ばくを懸念して通常の環境調査を実施しなかったことについて、琉球大学理学部の古川雅英教授(放射線地学)は「なぜ米軍と日本政府の見解にこれほどの相違が生じたのか、データを突き合わせて矛盾点を解明する必要がある」と指摘した。
ウラン自体は自然界にも存在しており、「土などを分析しなければ、鳥島の現在の環境が健康に被害を及ぼすレベルかどうかは言い切れない」と説明。「影響はない」としてきた日本政府の判断について「ガンマ線の線量率やウラン濃度など、安全性の根拠とした調査結果の数字を示すべきだ」と話した。
琉球大学の矢ヶ?克馬名誉教授(物性物理学)は、劣化ウランは半減期が約45億年と長く、発がん性などの健康被害が確認されていると指摘。米軍が長年、環境調査を実施しなかったのは「安全を考えればもっともだ」とし、「影響はないとした日本政府の判断は納得できない」と批判した。
また、事故後の訓練で埋まっている劣化ウラン弾が燃え上がることによる健康への影響を懸念。「鳥島やその周辺環境にどんな影響が及んでいるか改めて調査するべきだ」と求めた。
核のゴミ爆弾を放置したまま、鳥島を空対地射撃し続ける米軍
久米島からわずか 20km しか離れていないこの島を、核のゴミ爆弾を放置したまま、まるで汚いゴミ捨て場を上空から狙い撃ちするかのように爆撃する。
沖縄は核ゴミ爆弾のゴミ捨て場なんかじゃない。
そんなことを
いつまでつづけるんだ米軍は。
そんなことを
いつまで許し続けるのか日本政府は。
もういいかげん
島を元に返してくれないか !!!
CNN - U.S. jets fired radioactive bullets near Okinawa - Feb. 10, 1997