沖縄は今も「太平洋のゴミ捨て場」なのか - NHK BS プレミアムで放送 「枯れ葉剤を浴びた島2 ドラム缶が語る終わらない戦争」
NHK BS プレミアムでこの1年間の番組コンクールで受賞したドキュメンタリー番組を一挙に二日間にわたって放送。
その一環で、琉球朝日放送制作の「枯れ葉剤を浴びた島2〜ドラム缶が語る終わらない戦争〜」
が放送される。
第1部
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▽午後0:48ごろ~文化庁芸術祭賞
「人生フルーツ ある建築家と雑木林のものがたり」(東海テレビ放送)
▽午後2:14ごろ~民放連賞テレビ教養番組
「撮影監督ハリー三村のヒロシマ カラーフィルムに残された復興への祈り」(WOWOW)
▽午後3:11ごろ~民放連賞テレビ報道番組
「枯れ葉剤を浴びた島2 ドラム缶が語る終わらない戦争」(琉球朝日放送)
第2部
10月2日(月)
▽午後0:51ごろ~“地方の時代”映像祭賞
「島の命を見つめて 豊島の看護師・うたさん」(山陽放送)
「NHKスペシャル ある文民警察官の死 カンボジアPKO23年目の告発」(NHK)
▽午後3:02ごろ~ATP賞
沖縄市サッカー場で地中からドラム缶が引き上げられた。終戦40年を迎えたベトナムではアメリカ軍による枯れ葉剤である化学兵器が影を落としている。沖縄のドラム缶に記されたダウケミカルの文字は枯れ葉剤の製造会社だった。
2013年6月、嘉手納基地南側の沖縄市サッカー場でドラム缶が見つかったのが事の発端だった。沖縄市議会が開かれダウ ケミカルの調査などが話し合われた。2002年には北谷町で187本のドラム缶が見つけられていた。しかし日米政府は米軍廃棄物と認めず、県が調査するも正体不明で処分された。環境NGOは沖縄県庁でずさんな調査に対し釘を差した。2013年7月、沖縄市防衛局が調査を開始し、クロスチェックの体制をとった。ベトナム戦争で沖縄はアメリカ軍前線基地となり、枯れ葉剤が運ばれたとしてもおかしくはなかった。
防衛局、沖縄市のドラム缶22本についての報告書では、沖縄市は18本からダイオキシンを含む除草剤が検出され、1本では基準値の8.4倍の数値だった。さらに周辺の水からは環境基準の280倍のダイオキシンが検出され、沖縄市・東門美津子市長は会見を開いた。沖縄市は愛媛大学・本田克久教授に調査を依頼していた。教授は2、3、7、8-TeCDDというベトちゃんドクちゃんの障害の原因物質に注目し、ベトナムの枯れ葉剤汚染でしか見たことがないという。防衛局は2、3、7、8-TeCDDの検出を報告した。沖縄市はドラム缶に枯れ葉剤誠造会社名があり現場が米軍施設跡だったことから枯れ葉剤も含まれていた可能性を指摘したが、防衛局は1種類に限定した評価のため枯れ葉剤と断定できないとした。米国政府は沖縄への枯れ葉剤の持ち込みを認めていない。
ジャーナリストのジョン・ミッチェルさんは、沖縄駐留の元米軍人が枯れ葉剤を扱い病気になったとし米国政府に補償を求めていることを突き止めた。小野寺防衛大臣は視察に訪れた。沖縄は米軍再編のため嘉手納より南の約1000haが返還される予定だが、訓練場跡地で中距離弾道ミサイル「メースB」などが残っている。日米地位協定では米軍に原状回復の義務はない。
サッカー場の調査では新たに61本のドラム缶と報告書が発見され、最強の毒2、3、7、8-TeCDDが50%以上の割合が沖縄市で18本、防衛局で19本が記録されていた。しかし、防衛局は1種類に限定した評価で証拠は見つからなかったとした。環境総合研究所・池田こみち顧問は防衛局の調査に疑問を呈している。2014年11月、ダナン市枯れ葉剤被害者の会が沖縄を視察した。ベトナム・ダナン市は戦争中枯れ葉剤散布拠点として使用された。ベトナム政府と米国政府は2012年から除染活動を開始したが人々はダイオキシンのことを知らず生活し汚染にさらされていた。愛媛大学・本田教授はダナン市と沖縄市の類似点を指摘した。
ダナン市では枯れ葉剤の被害は終わらない。グエン・ティ・ハインさんは小学校高学年から異変が現れたという。また、姉のグエン・ティ・ハーさんと息子も病気を抱えている。2人のちちザオさんは米軍のゴミ捨て場近くで働き、近くの水を飲み失神したという。ベトナムの枯れ葉剤被害は、ダナン市で現在も約5000人、国内全体で300万人以上と推定されている。沖縄市での報告書にはサッカー場の歴史が書かれており、東京オリンピックが開催されていた1964年米国人がドラム缶に土をかぶせる作業をしていたという証言も寄せられた。ジョン・ミッチェルさんによると、冷戦時代米軍は沖縄を”太平洋のゴミ捨て場”と呼び、化学兵器を埋めていたという。発掘されたドラム缶は108本、一部土壌からは発がん性物質が基準の5000倍検出された。
(1) 米軍の訓練場跡地から大量の埋められたドラム缶、そして (2) 枯れ葉剤の製造会社の名前までドラム缶に記されており、(3) 埋めたという証言もある。
それなのに日米両政府は明確に枯れ葉剤であることを認めもしない。
そうしてわれわれ国民の税金を湯水 (九億円以上) のように使い、臭いものにフタをしただけの「クリーンアップ」なるもので終わりにさせようとする。
アメリカ国防総省のの準機関紙でもあるといってもいい Stars and Stripes (『星条旗新聞』) で、たまに、Agent Orange (枯れ葉剤) などの記事が掲載されれば、そのコメント欄にはあふれるほどの退役軍人たちの苦しみの声が寄せられる。
それは実質上の化学兵器によるものと思われる後遺症や病の苦しみや病院や軍の対応だけではない。数多くの、今も PTSD に苦しみぬいている元兵士たちの生の声でもある。
こうした声を、この不安クラブでも、いつか紹介していきたいと思う。
枯れ葉剤、核爆弾、基地、海兵隊、オスプレイ、自衛隊、何でもかんでも、
全部、厄介なものは沖縄に押しつけ
そのうえに裁判までおこして叩いて黙らせ、
ネトウヨをけしかけ、地元は容認だとかと拡散する。
証拠をつきつけようと、声高に叫ぼうと、
日米で申しあわせて何もなかったことにする。
それこそが「環境的人種差別」(environmental racism) だということに、多くの本土の人たちも向かいあおうとはしない。
美しいイノーにかこまれたこの島は
日本が始めた戦争の「捨て石」にされただけではない。
沖縄に居座る米軍は
沖縄を勝手に「太平洋のゴミ捨て場」として使った。
日本はほいほいと米軍に沖縄を差しだして利用するだけ利用してきた。
そして、今もその現状は変わってはいない。