Osprey Fuan Club

~ 沖縄の歴史から現代の政治まで ~

こころ引き裂かれる思い - 琉球王国時代の「宝」は無事なのか !? 【更新中】

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11月2日、1510点のうち、3割近い421点が焼失

 

琉球王国時代の「宝」約3割、421点焼失 残りの被害状況不明

タイムス
2019年11月2日 08:47

 首里城の正殿など7棟を焼失した火災で琉球王国時代の絵画、漆器、書跡、染織など沖縄美ら島財団の所蔵資料1510点のうち、3割近い421点が焼失したことが1日、分かった。2カ所の収蔵庫内にある1075点の被害状況は不明。県から運営を委託された指定管理者の同財団の花城良廣理事長らが首里城公園内で会見し、明らかにした。

 

 花城理事長は「近隣の方々、県民、国民、観光客の皆さまへご心配とご迷惑をお掛けしたことに深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 

 収蔵品は分散して保管。焼失したのは寄満(ゆいんち)多目的室に保管してあった尚家伝来の「雪中花鳥図」など407点と、扁額「中山世土」など正殿や南殿、北殿、書院鎖之間の常設展示14点。

 

 南殿収蔵庫には県指定有形文化財「白澤之図」など724点、寄満収蔵庫には同文化財の「黒漆菊花鳥虫七宝繋沈金食籠」「黒漆牡丹七宝繋沈金食籠」や尚家伝来の刀剣「青貝巴紋散合口拵」など351点が保管されていた。両収蔵庫は耐火性があり、ドアは焼けていない。中の状況は確認できておらず、被害を受けた可能性がある。

 

 また、火災発生時に延焼を防ぐ水のカーテン「ドレンチャー」が作動したことを確認。一方、警備員が正殿の周囲4カ所に設置された放水銃を使用しようとしたが火の回りが早く近づけず、防火設備が機能しなかったと明かした。

 

 火元とみられる正殿では営業時間後から出火までに、イベント準備の業者ら5人が立ち入り、10月31日午前1時43分に警備員が施錠した。外部から侵入した形跡がなく、県警は放火の可能性は低いとみている。 一方、県警と消防は同日、首里城正殿を中心に焼け跡を実況見分した。

 

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11月3日、11時間の猛火に耐えた1075点、運び出し

 

11時間の猛火耐えた収蔵品 丁寧に運び出す 首里城火災 専門家「王国文化の粋が救われた」
2019年11月3日 14:30

 

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 首里城火災で、城内の収蔵庫2カ所にあった絵画や漆器などの収蔵品1075点が全焼を免れたと分かった2日、琉球王国時代の美術工芸品に詳しい専門家たちは「王国文化の粋が救われた」と口々に喜んだ。所有者で施設を運営する沖縄美ら島財団の学芸員らは、11時間もの猛火をくぐった品々を丁寧に運び出した。

 

南殿収蔵庫に保管されていた県指定有形文化財の「白澤之図」(一般財団法人沖縄美ら島財団所蔵)

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 財団の所蔵1510点のうち、正殿などの常設展示品421点の焼失が分かったばかり。今回、全焼を免れた1075点の収められていた南殿と寄満の2収蔵庫は耐火性があるとされたが、火勢をテレビや現場で見た人々からは無事かどうか不安の声が漏れていた。

 

 県立博物館・美術館の田名真之館長(68)は「県指定有形文化財も東京尚家資料も、ほぼ大丈夫だろうと聞いている。あの猛火から少しでも救い出せるとは」と喜んだ。

 

 二つの収蔵庫を開けた2日午後は、財団の学芸員らが外部機関の建物などに収蔵品を運び出し始めた。まだ木箱やケースに入れたままで、近く1点ずつ状態を確かめる。財団の幹部は「ともかく慎重に安全に。城は焼けたが、少しでも前を向けるように丁寧に扱いたい」と語る。3日も搬出を続けるかは「雨が降らなければ。ここにきて、水にぬれたら困る」。

 

 財団の所蔵品には、琉球王国が最高の材料で、最高峰の職人に作らせた品々が多く含まれる。

 

 「王国文化の粋で、美術工芸品の価値として国宝級のものもある」と心配していた那覇市歴史博物館の外間政明学芸員(51)も「良かった。箱入りで運び出しているなら中身はある。(消火の際の)水で多少ぬれたとしても、全て焼失するより、ずっといい」と言葉をかみ締めた。