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【トランプと核】米軍、核兵器戦略の「効力」を力説する新指針を発表 - 「核環境で生き残り、戦い、そして勝利するため、同盟軍兵士の訓練を達成」

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世界はジョーカーを

引いてしまったのだろうか。

 

トランプアメリカが核兵器戦争のニュー・ドクトリンを出してきた。

 

トランプが核のボタンをひけらかす。

 なんともべニア板の上で博打でもしているかのような気分だ。

 

愚かしくも人類は、バベルの塔さながらカジノで財を成し世界中に黄金のトランプタワーを建てまくるこの男に、すっかり「核のボタン」を譲り渡してしまったのだ。

 

米軍、戦闘中の核兵器使用で新指針 放射線下の地上戦にも言及

ライブドアニュース

2019年7月28日 18時52分

ざっくり言うと

・米軍は6月、戦闘中の限定的な核兵器使用を想定した新指針をまとめていた
・核爆発後の放射線環境下で地上戦をどう継続するかなどの課題にも言及
・通常戦力の延長線上に核戦力を位置付ける傾向もうかがえるという

共同通信

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米軍文書「核作戦」のコピー。「核使用は戦闘領域を根本から変え、司令官が紛争でどう勝利するかを左右する状況をつくり出す」との記述(右上段)がある

 

 米軍が先月、戦闘中の限定的な核兵器使用を想定した新指針をまとめていたことが28日、分かった。核爆発後の放射線環境下で地上戦をどう継続するかなどの課題にも言及している。核弾頭の小型化を進めるトランプ政権下で、通常戦力の延長線上に核戦力を位置付ける傾向もうかがえる。

 

 新指針は米軍統合参謀本部が6月11日付でまとめた内部文書「核作戦」ホームページで一度公開した後、非公開にした。全米科学者連盟が保存し開示している。

 

 文書では「核使用は戦闘領域を根本から変え、司令官が紛争でどう勝利するかを左右する状況をつくり出す」などと力説している。

 

ついさきほど出た東京新聞の記事がより詳しいので、こちらも記録しておこう。

 

米軍、限定核使用の新指針 放射線下の地上戦も言及

 東京新聞:国際(TOKYO Web)

2019年7月29日

 

 米軍が先月、戦闘中の限定的な核兵器使用を想定した新指針をまとめていたことが分かった。核爆発後の放射線環境下で地上戦をどう継続するかなどの課題にも言及している。オバマ前政権は核の先制不使用も一時検討するなど「核の役割低減」を目指したが、逆行する内容。核弾頭の小型化を進めるトランプ政権下で、通常戦力の延長線上に核戦力を位置付ける傾向もうかがえる。

 

 米シンクタンク全米科学者連盟の核専門家ハンス・クリステンセン氏は、広島型原爆の三分の一程度となる爆発力数キロトンの「小型核」開発の動きを念頭に「『より使いやすい核』の導入に合わせて限定的な核戦闘の議論を活発化させており、心配な動きだ」と指摘。核使用のハードル低下を懸念する声が複数の米専門家から上がっている。

 

 新指針は米統合参謀本部が六月十一日付でまとめた内部文書「核作戦」。ホームページで一度公開した後、非公開にした。公開されたものを全米科学者連盟が保存し開示している。

 

 文書は「敵対者は自身の利益を守るため核への依存を深めている」とし、ロシアや中国の核戦力増強に注意を促した上で「米核戦力は『力による平和』という米国の国家目標に資する」と指摘。

 

 さらに「核使用やその脅しは地上作戦に重大な影響を与え得る。核使用は戦闘領域を根本から変え、司令官が紛争でどう勝利するかを左右する状況をつくり出す」とし、限定核使用の効用を力説している。

 

 また核戦力を通常兵力と共同運用する重要性に触れ「陸上部隊や特殊作戦部隊は核爆発後の放射線環境下でも、全ての作戦を遂行する能力を保持しなければならない」とし、核戦争下での部隊能力の強化を訴えている。

 

 統合参謀本部は取材に「文書作成は定期的な指針策定の一環で政策変更ではない。あいまいな点がないよう見直し、再公表したい」としている。

 

 米国は冷戦後、抑止力を核の主要な役割とみなし、オバマ前大統領は三年前の広島訪問後、相手の核攻撃まで核を使わない先制不使用を検討した。

 

その現物の保存された文書がこれである。

 

https://fas.org/irp/doddir/dod/jp3_72.pdf

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銃には銃を、核には核を。

 

アメリカは銃を拡散することで銃暴力から身を守れると考える国である。現実はそれに程遠いにもかかわらず。

 

それで、核に対して核で身を守れると信じて疑わない。ほとんど核カルトである。

 

さて、時間もないので、この新しいドクトリンとやらを簡単に拾い読みしてみる。

 

多国籍(同盟序文ii JP 3-72または連合)軍事指揮の一環として活動する部隊の指揮官は、合衆国によって批准された多国籍原則および手順に従うべきである。

 

核環境での作戦核紛争で同盟軍が直面する最大かつ最もよく理解されていない課題はおそらく、核爆発後の放射線環境で軍事作戦することである。特別な物理的および生理学的危害、ならびに核戦場の心理的影響についての知識は、これらの危害および影響に対抗するための指導と訓練をすることで、うまく機能する地上部隊の能力を大いに向上させる。

 

 e。効果的です。原子力と核抑止力は効果的で信頼できるものでなければなりません。原子力は、望ましい効果を生み出すように特別に設計され配備されています。

 

Additionally, effectiveness is achieved by commanders training the joint warfighter to survive, fight, and win in a nuclear environment. A safe, secure, and effective nuclear stockpile further strengthens credibility of the force.Commanders of nuclear forces hold their warfighters to the most rigorous training and operational standards, ensuring the warfighter understands their contribution to US nuclear capabilities and deterrence.

加えて、指揮官が核環境で生き残り、戦い、そして勝利するため、同盟軍の兵士を訓練することがもとめられる。安全でそして効果的な核備蓄は、軍の信頼性をさらに強化します。

 

g。生き残れます。米国の原子力および指揮統制体制は、いかなるシナリオにおいても、十分な米国の能力が報復的な攻撃を実行するために残っていることを潜在的な攻撃者に納得させるために敵の攻撃から生き残るように設計されている。

https://fas.org/irp/doddir/dod/jp3_72.pdf

 

すごいなあ、この精神主義

 

同盟軍が厳しい訓練をすることで、核環境を生き残り、勝利することができるらしい。

 

アメリカは、もちろん未だに、邪悪な日本を核の力で「封じ込め」ることができたという神話を生きている。

 

被爆者の死と苦しみと訴えなど、おごり高ぶったバベルの塔には届かないのであろうか。

 

www.dailymotion.com

 

所詮、被爆するのは下々の住民と派遣された兵士 (ここでは同盟国の日本の自衛隊員も含むことは間違いない) だけだと思っているから、核の兵器が「効果的」だなどと断言できるのだ。

 

核で汚染された世界で「生き残れる」とか、それにどんな意味があるのか。自分たち選ばれた者だけにはノアの箱舟が用意されているとでもいうのだろうか。

 

こうして、人類は欲深く愚かであるために、ますます暗黒のディストピアに肉薄する。

  

いったんトランプご乱心とあらば、米軍に従順にお仕えしてきた日本には、いったいどのような切り込み隊の「特命」がくだされるのだろうか。

 

それはもちろん想定外ではないはずだ。

 

今回、自民党公明党に票を入れた人たちに、とくと聞いてみたいものである。

 

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