Osprey Fuan Club

~ 沖縄の歴史から現代の政治まで ~

沖縄はなぜ共謀罪に反対するのか - カメジローの逮捕、警察が米軍と一緒になって市民の動向を探る動きをしていた

歴史から学ばぬ者たちは、必ず同じ歴史をくりかえす。

 

自民・公明・維新は、今月19日、衆議院での強行採決共謀罪法案を通過させた。

こんな人権と民主主義の根幹にかかわる法案を強行採決で通過させるという今の国会もおぞましいが

この法案の衆院通過を受け、24~25の両日に朝日新聞が行ったアンケートの結果にも驚愕する。

 

「共謀罪」審議、「不十分」60% 朝日新聞世論調査:朝日新聞デジタル

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世論調査―質問と回答〈5月24、25日実施〉:朝日新聞デジタル

法案通過後24~25のアンケート結果

(丸カッコ内の数字は5月13、14日の定例調査の結果)

 

安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。

 支持する 47%(⇦48%)

 支持しない 31%(⇦29%)

 

◆ 政府は、犯罪を実行しなくても、計画の段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ、組織的犯罪処罰法の改正案の成立を目指しています。この法案に賛成ですか。反対ですか。

 賛成 30%(⇦38%)

 反対 35%(⇦38%)

 

組織的犯罪処罰法の改正案について、安倍首相は、東京オリンピックパラリンピックに向けて、テロ対策のために必要だと説明しています。こうした説明に納得できますか。納得できませんか。

 納得できる 46%

 納得できない 37%

 

政府は何度も何度も「一般人は対象外だ」と強調する。しかし、政府の規定する「一般人」とはいったい誰のことなのか。

 

「一般人」かどうかを判断するのが政府である以上、すべての人が「一般人」かどうかを政府によって判断される。そのことに一抹の危惧すらもたない国民がこの日本にこんなにも存在する。

 

どうひっくりかえっても、自分は大丈夫だ、と思いこんでいるらしいのだ。

 

共謀罪の「当事者」である国民が、自分が「当事者外」であると思いこんでいる、この政治的なナイーヴさを、どう嘆いたらよいのだろう。

 

民主主義と人権にとって、どれほど共謀罪という装置が危機的なものであるのか、すでに日本は経験済みのはずではないのか。特高がどのように動いて戦争に反対する者たちを押し潰し、国民を沈黙させ、おびただしい死と暴力に駆りたてていったのか、その歴史をもうすっかりと忘れてしまったのだろうか、この国の人民は。

 

共謀罪法案がなくても、沖縄ではすでにそれは始まっている。

 

米軍オスプレイパット建設の高江の現場でワイヤーを二本切ったとか切らないとかで逮捕され、五か月間も拘留された山城博治氏は、連日の厳しい取り調べの中で再三にわたって、仲間のことを聞かれ続けた。

 

瀬長亀次郎が逮捕(1954-56) された時も、抗議集会をひらこうとする支持者や、手書きのポスターを張り出した人までも「騒乱や暴行行為につながる疑いけを掛けられ、逮捕者は44人にものぼったという。

 

私たちは何度でも何度でも歴史を紐解き歴史に学び、人民を「人口」と「財源」としてしかみなさない権力というものから、子らをまもる英知を持たなければならない。

 

瀬長亀次郎の次女の内村さんは、「警察が米軍と一緒になって市民の動向を探る動きをしていた」と振り返る。

 

それは今も変わらない。

 

日本の警察は、
米軍の警備会社になりくさし、
国民の税金を湯水のようにつかって
米軍に寄留し、米軍の日陰で待機している。
 
これが共謀罪法案の目指す日本の姿だ。

 

ospreyfuanclub.hatenablog.com

 

 

Prison Release of Kamejiro Senaga.JPG

出所する瀬長亀次郎

 

「共謀罪」重なる記憶 戦前、米統治下の運動弾圧 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

琉球新報

共謀罪」重なる記憶 戦前、米統治下の運動弾圧

2017年5月23日

 

 市民運動への監視が強化されるのではないかとの懸念の声が強まっている、「共謀罪」を含む「組織犯罪処罰法改正案」。沖縄は戦前・戦中、戦後の米統治下でも市民運動が権力から不当に監視された状況があった。沖縄人民党委員長や衆院議員を務めた瀬長亀次郎さん(1907~2001年)は、1954年の人民党事件で米軍の思想弾圧下で逮捕された。瀬長さんの次女・内村千尋さん(72)は「(人民党事件は)まさに今の共謀罪だ。共謀罪の法案が通ると今後どんな世の中になるのか不安だ」と強く懸念する。

戦前の治安維持法や米統治下の監視と現政府が進める共謀罪の共通性を指摘する内村千尋さん=19日、那覇市の「不屈館」

 

 人民党事件が起きた54年、瀬長さんは立法員議員だった。米側は米統治下の圧政に抗議する人民党への弾圧を強め、島外退去を受けた人民党員をかくまったとして瀬長さんを逮捕した。瀬長さんの逮捕を訴える抗議集会を開く計画を決めた支持者や、手書きのポスターを張り出した人までも騒乱や暴行行為につながる疑いを掛けられ、逮捕者は44人に上った。

 

 獄中の父へ差し入れを持って行ったという次女の内村さんは、当時の状況を「警察が米軍と一緒になって市民の動向を探る動きをしていた」と振り返る。

 一方、1932年にも瀬長さんは神奈川県で治安維持法で逮捕され、懲役3年の刑を受けた。当時、労働組合の争議で、賃金改善や労働時間の短縮を求め、ストライキなどを指導する中で逮捕された。当時の手記には、釈放後も特別高等警察に監視されていたとみられ「絶えず尾行されていることを背中で感じていた」と記されている。

 戦前・戦中の特高警察や戦後の米統治下で動向が監視されていた瀬長さんの状況と「共謀罪」法案を重ねる内村さん。「政府が一般人や辺野古の抗議活動には共謀罪は適用されないなどと説明しても、(対象を)決めるのは(権力を持つ)当局だ」と指摘し、法案の危険性を訴えた。「共謀罪」をめぐっては、与党は23日にも衆院本会議で法案を可決する見通しだ。(古堅一樹)

 

人民党事件で那覇署に連行される瀬長亀次郎さん(左)=1954年10月6日(内村千尋さん提供)

 

 

TBS 報道の魂 

米軍が最も恐れた男 ~あなたはカメジローをしっていますか?~

2016年8月21日

dai.ly