名護市数久田の流れ弾事件、米軍準機関紙には「沖縄県警の捜査に可能な限り最大限の協力をする」と伝えつつも、実際にはいっさいの捜査協力を拒んだ在日米軍 - キャンプシュワブ・レンジ10の真実
今年6月21日、
名護市数久田で一発の銃弾が窓ガラスを二枚割った。
名護市数久田、キャンプ・シュワブ近くの農業小屋に銃弾、窓ガラス二枚が割れ散乱 - そうして米軍はどう対応するのか - 在沖米軍基地事件簿
そして
翌日の米軍準機関紙『星条旗新聞』は、当日にキャンプシュワブのレンジ10で実弾訓練があったこと、そして名護市での流れ弾事件に関する米海兵隊の声明として、こう伝えている。
Okinawa police investigate stray bullet near Marine Corps range - Stars and Stripes
June 22, 2018
In response, U.S. officials closed Range 10 until further notice “as a precaution,” a Marine statement said.
“We value the safety of the local community in which we live and take this matter very seriously,” the Marines said in the statement. “We are working with our counterparts at the Okinawa Prefectural Police to the greatest extent possible in support of the investigation.”
「我々は、我々が住む地域の安全の確保に高い価値をおき、今回のことを非常に重大だと考えている」と、海兵隊は声明の中で伝えた。「我々は、捜査の支援について、可能な限り最大限の範囲で沖縄県警と我々側とで協力していく。」
ところが、である。
事件から四か月たっても、「可能な限り最大限の範囲の協力」どころか、
米軍は捜査にまったく協力しない。
6月28日から、米海兵隊憲兵司令官宛に銃弾と同じ種類の銃弾の現物を求めても、この四か月間、海兵隊からはなんの音沙汰もなし。
琉球朝日放送 報道制作部 Qプラス » 名護市数久田の“流れ弾” 警察「銃弾」と断定
警察によりますと、流れ弾とみられるものは鑑定の結果、重火器から発射された際につく螺旋状の痕「線条痕」がついていることが確認できたことから、「重火器から発射された銃弾である」と発表しました。
警察は28日午後、在沖米海兵隊憲兵司令官宛に鑑定を行った銃弾と同じ種類の銃弾の現物や資料を要求していて、アメリカ軍の銃弾かどうか特定を急いでいます。
そして、四か月たった10月19日、米軍由来の銃弾であることを特定できないまま、捜査状況も伝えられないまま、被害者は自費で修理した。
沖縄防衛局はアメリカ軍のものと認められた場合、日米地位協定に従って補償の手続きを進めるとしていますが、県警が同じ形の銃弾の提供を求めたのに対しアメリカ軍は応じていません
沖縄タイムス+プラス2018年10月22日 12:13
● 名護市の農作業小屋の窓ガラスが割れ、銃弾が発見されてから4カ月
● 米軍実弾射撃場からの流れ弾の可能性もあるが米軍の捜査協力なし
● 米軍由来と特定できず、所有者負担で修理。捜査協力を求めている
逆にいえば、米軍が捜査に協力しないのは、それが米軍由来の銃弾ということが明らかであるからだが、
下のマップでも確認してほしい。
数久田で過去どれだけ流れ弾の被害があるか。
2018年8月5日 琉球新報
なぜ名護市数久田周辺に流れ弾被害が集中しているのか。
それもそのはず。
米軍準機関紙『星条旗新聞』に掲載されている一枚の写真、それは、今や我々が立ち入ることのできない、あのキャンプシュワブ内に奪われた久志岳がいったいどのような姿となっているのか、それを我々に伝えている。
まるで大地が血を流すかのように、
傷つけられ赤土をあらわにする久志岳の姿。
Okinawa police investigate stray bullet near Marine Corps range - News - Stripes
辺野古の海にまで届くすさまじい実弾演習や爆発の音は、このシュワブのレンジ10からのものである。
DVIDS - News - ANGLICO Awakens Range 10
実は73年前の沖縄戦の際、日本軍はこの久志岳山頂のあたりに陣地を築いた。米軍は6月15日に激しい空爆を展開した。
1945年 6月15日 『戦利品への執着』〜沖縄戦シリーズ〜
火山を作った海兵隊。F4Uから久志岳山頂の日本軍要塞めがけて焼夷弾を投下した結果、噴煙が上がる(1945年6月15日撮影)
MARINE MADE VOLCANO. Smoke from the F4U fire-bomb attack billows up into the sky above the mountain peak strong hold of the Japs at Kushi-Take, central Okinawa.
沖縄戦が終わって73年たっても、
島の大地は攻撃され、
傷跡から赤土が流れでる。
数久田の流れ弾は
あきらかにレンジ10からのものであり、米軍は「予防的措置」としてレンジ10を閉鎖した。そのことを『星条旗新聞』も伝えている。
それでも
米軍は、しらばっくれる。
米軍は捜査に一切協力せず、
事件の責任どころか説明もない。
ガラス窓二枚すら修理しない。
米軍が米軍なら、
またこの国の防衛局も防衛局だ。
私人になりすまして沖縄県を訴えることはしても、県民のために米軍に訴えることはしない。
これが、
国民よりも米軍を大事にする
防衛局の実態である。
なさけない国ですよ、
この国は。
沖縄戦から73年がたっても、なお危険と隣り合わせの生活を強いられている現実が浮き彫りになった。
米軍キャンプ・シュワブに隣接する名護市数久田の農作業小屋で窓ガラスが割れ、銃弾のような物が見つかった。
マンゴー栽培をしている管理人の男性が買い出しのため小屋を離れていた昼間の約1時間半の間に起きた。
一歩間違えれば男性に被害が及んでいた。
現場には長さ約5センチ、直径1センチ強の銃弾のような物が落ちていた。
引き戸を貫通、壁にぶつかって跳ね返り、高窓を割ったとみられる。
専門家は今回の「流弾」を銃の操作ミスか、何かに当たって跳ね返った「跳弾」の可能性を指摘する。
銃口を1度高く向けると、射程は100~200メートル伸びるという。
在沖米海兵隊は「慰霊の日」を含む18~24日にシュワブで実弾訓練を実施すると関係自治体に通知していた。
「流弾」が見つかった後、在沖米海兵隊は本紙取材に「地域社会の安全を大切にし、問題を非常に真(しん)摯(し)に受け止める」と回答した。
予防措置として実弾射撃訓練場の「レンジ10」を一時的に閉鎖したことを明らかにした。レンジ10からの「流弾」であることが濃厚となった。
小屋とシュワブは直線距離にして約1キロ、レンジ10とは同じく数キロ、小屋から国道58号までは約250メートルしか離れていない。近くには民間地域もあり、危険極まりない。
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米軍が使用した銃弾かどうか、同じ時間帯に訓練していた部隊を調べればすぐ分かることである。県警は「流弾」を回収するとともに、実況見分を実施。器物損壊事件などを視野に捜査する方針だ。
レンジ10の現場検証を速やかにするのが捜査の鉄則である。米軍は県警の基地内立ち入りを早急に認め、捜査に全面協力すべきだ。
懸念されるのは、米軍が日米地位協定の排他的管理権を盾に県警の基地内立ち入りを拒否し捜査に支障を来しているケースが多いことだ。
沖縄全戦没者追悼式のあいさつで安倍晋三首相は、基地負担軽減のために「できることはすべて行う」と言い、ハガティ駐日米大使にも「実態解明に向けて米側の協力も得たい」と要請したという。
県民が安全への不安を抱いている。ならば安倍首相は県警の捜査が迅速に進むよう米軍に強く働き掛けるべきだ。
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復帰後、流弾事故は28件に上る。名護市内では5件発生し、うち4件がレンジ10から発射されている。米軍の射撃訓練場には構造的な欠陥がある。狭い沖縄では民間地域との距離が近すぎるのである。
2002年7月にレンジ10から名護市数久田のパイナップル畑に重機関銃弾が着弾。男性が農作業をしており、大惨事になるところだった。
米軍は銃身を固定する「射角制御装置」設置で安全対策が取られたとして原因究明をしないまま訓練を再開した。装置が万全でないことは米軍自身が認めている。レンジ10の射撃訓練廃止を求める。