今年、沖縄県は「選挙イヤー」らしい。
新年早々から、本土メディアがそう伝えているのだから、そうなのだろう。
政治屋以外の沖縄県民からすると、「へぇ、そうなんだぁ〜」というのが正直な反応だ。
一般の沖縄県民が「選挙イヤー」なんて意識したことはないし、普段の生活の中で「選挙イヤー」という言葉が会話に出てくることはない。
従って、沖縄県内の選挙に本土メディアが異様な関心を持っていることに、驚きと不気味さを感じる。
沖縄県の知事や自治体の首長が誰になるのか、どの政党が支持しているのか、など、そんな超ローカルな県民の「選択」について、なぜ本土メディアが関心を示すのだろうか。
それは、日本国の安全保障を沖縄に過剰に負担させている、ということを認識しているからではないか。
沖縄県知事や名護市長が誰になるか、という沖縄県民の「選択」が、日本国という国の安全保障を左右しかねない、だから気になる、関心が高い、ということであれば、それだけ沖縄県に日本国の安全保障を押し付けている、ということだ。在日米軍の駐留を全国で均等に負担しているならば、誰が沖縄県知事や名護市長になろうとも、国民的な関心にはならないはずである。
「沖縄県民は誰を知事に選ぶのか」が気になる者たちは、翁長知事を批判する仲井眞前沖縄県知事のインタビュー記事を出し、あらゆるメディアに転載して拡散させている。これを積極的に「シェア」しているのが、SNSに蔓延る安倍政権支持たちだ。
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本土メディアも、安倍政権支持者の多くも、沖縄県民でない部外者たちであるが、拡散の速度や頻度からすると、沖縄県の「選挙イヤー」に対する彼らの関心の高さは、沖縄県民以上であるとさえ言える。笑
さて、そんな彼らが必死で拡散する『前沖縄県知事・仲井眞弘多氏「活動家と化した翁長君へ」』というインタビュー形式の記事を読んだが、大した内容ではなかった。
要は、前沖縄県知事が、現職の知事を「活動家のようなもの」と言っただけ。
その前知事である仲井眞弘多は、4年前の選挙で約10万票近い大差をつけられて敗れたのだが、圧勝した相手に対し、上から目線で「知事たる者」について持論を述べているのだから、哀れだ。
本土メディアや安倍政権支持者は、こんな内容のものを必死で拡散するしかないのかと、正直、こちらも哀れに思える。選挙に勝った相手を「活動家」と呼ぶ前知事。それを、そうだ、そうだ、と同意する自称「愛国者」たちが住む国など、もはや成熟した先進国とは言えない。
それにしても、本土メディアや安倍政権支持者らには、4年前の「選挙イヤー」の記憶は残っていないのか。それとも、当時は沖縄に無関心だった連中で、単に知らない、ということなのか?
この「仲井眞弘多」なる人物は、安倍政権支持者が心底嫌う「沖縄県知事・翁長雄志」を誕生させた張本人なのだが!笑
翁長政権は、開票が始まると同時に当確が出るという「ゼロ打ち」で誕生した。それは、大多数の沖縄県民が「仲井眞弘多」という人物を全力で否定したことを意味する。
『沖縄の戦後史、政治の潮流が変わった瞬間だった。
11月16日午後8時前。支援者と多くの報道陣が詰めかけた那覇市内の翁長雄志氏(64)の選挙事務所。保守・革新の政治家が居並ぶ選挙事務所の最前列。後方の席では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還問題で移設先の名護市辺野古で反対運動の現場に立ちながら、選挙運動を草の根で支えた市民運動のメンバーも、開票の時を待っていた。
午後8時、投票が締め切られた直後に、テレビ各局が一斉に翁長雄志氏の「当確」を報じた。
沖縄の戦後史に、転換点が訪れた。2014年11月16日、保守・革新の対立を超え、「沖縄の誇り」「オール沖縄」を訴えた翁長雄志氏が知事に初当選を果たした(沖縄タイムス提供)
全国的な注目を集めた沖縄県知事選挙は、無所属の新人で前那覇市長の翁長氏が36万820票を獲得し、初当選を果たした。普天間飛行場の辺野古移設が最大の争点となった選挙戦で翁長氏は「辺野古新基地は絶対に造らせない」との立場を訴え、辺野古埋め立てを承認した現職仲井真弘多氏(75)=自民、次世代推薦=の26万1076票を9万9744票も上回った。
新人・無所属の元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)は、県民投票による普天間問題の決着を掲げたが、6万9447票で広がりを欠いた。新人・無所属の前民主県連代表の喜納昌吉氏(66)は、承認の取り消しを主張したが、7821票で組織的な運動で他候補に差をつけられた。
投票率は64・13%で前回の60・88%を3・25ポイント上回った。翁長氏の得票は投票総数の51・22%を占める圧勝だった。』(抜粋)
翁長知事が誕生する約1年前の2013年12月。
沖縄県知事を務めていた仲井眞弘多という人物は、上京すると同時にタイミングよく体調を崩し、東京都内の病院に入院した。菅官房長官らと密会し、埋め立て承認に向けた段取りを決める。そして政府に対し、埋め立てを承認する見返りに用意した「ご要望」に応えてもらうという、パフォーマンスを繰り広げた。
その一つが、後に日本中の国民が沖縄県を誤解するキッカケとなった「3000億円台の振興予算」の確保である。
「沖縄知事選挙 翁長氏圧勝の深層」沖縄タイムス記者・知念 清張 | 特集・ 次の時代 次の思考 Ⅲ
『平成25年12月25日、安倍総理は総理大臣官邸で、沖縄県の仲井眞弘多知事と面談を行いました。
安倍総理はあいさつで次のように述べました。
「去る今月17日の沖縄政策協議会の場で、知事から承ったご要望について私は最大限実現するよう努力をしたいと、このように申し上げました。
本日は政府としての取組の基本姿勢、今後の取組の具体的内容について直接私から知事にご説明し、私の想いを伝えたいと思います。
まず、強調させていただきたいのは、知事からのご要望は振興と負担軽減の両面の多岐に渡るものでありました。事柄によっては、相手もあることでございますので、その実現には様々な困難も予想されますが、このご要望は沖縄県民全体の思いとして、しっかりと受け止め、日本政府としてできることはすべて行う。そういうのが安倍政権の基本姿勢であります。
その上でいくつかの重要な事柄について具体的に申し上げたいと思います。
まず沖縄振興策についてであります。平成26年度政府予算案では、消費税を含め、3460億円を措置し、概算要求の総額3408億円を上回る規模のものを確保しました。また沖縄振興計画期間内、つまり平成33年度まで沖縄振興予算について、毎年3000億円台を確保することを昨日の閣議における私の発言の通り、お約束をいたします。さらに、那覇空港滑走路増設については、平成31年末までに確実に工事を完了すること、OISTについては、その規模の拡充に向け、必要な財源の確保や教員の質の維持等の課題も含め、様々な観点から検討していく。そして北部振興事業については、平成33年度まで、毎年少なくとも50億円の事業を継続することをお約束をします。』(抜粋)
平成25年12月25日 仲井眞沖縄県知事との面談 | 平成25年 | 総理の一日 | 総理大臣 | 首相官邸ホームページ
官邸で厚遇を受けたと勘違いした仲井眞は、その後、カメラの前で喜びを露わにした。3000億円をありがとう、と言わんばかりの態度で、
『これは良い正月になるなぁというのが、私の実感です』
と発言。沖縄県民のほとんどが、その姿に、発言に、絶句した。
全国放送されたニュース映像には、沖縄県知事がお年玉をもらった子供のように、満面の笑みで映っていたのだ。
その瞬間から、仲井眞弘多の政治生命は終わりに向かう。
「日本政府にカネを恵んでもらって嬉しい」と、沖縄県知事が公言したのだ。
この男は沖縄を売ったのだ。沖縄県民の心は、仲井眞弘多という知事を務めた男に深く傷つけられた。
県民を傷つけ、カネのためなら魂さえも売るような沖縄県知事。
これが仲井眞弘多という人物が描く「知事たる者」の姿だというのか?
2013年12月24〜27日の数日間、沖縄県庁舎には多くの県民が押し寄せ、埋め立て承認をしないよう要求、知事による説明を求めていた。
埋め立て承認に至った経緯や、日本政府に呑ませたという「条件」に関し、県民にきちんと向き合い、説明しようとすらしなかった仲井眞。
帰任後は登庁せず、知事公舎に隠れ続けていた。
そんな仲井眞は、副知事2人、県幹部数名とメディアを知事公舎に呼び寄せ、そこで埋め立て承認の会見を行うことにした。
仲井眞弘多は、堂々と登庁して県民と向き合うことさえできなかった、情けない知事だったのだ!
その後、沖縄県議会が開いた百条委員会で説明らしきものは行われたが、それに納得した県民は少なかった。その結果が、4年前の知事選ではっきり出た。沖縄県民は仲井眞県政と決別し、翁長県政に委ねる。
2014年12月、沖縄県知事として最後の日。
仲井眞弘多は、当時の知事公室長による異例の「呼びかけ」で召集された県職員と、警備を依頼された沖縄県警の私服警官らにガードされ、申し合わせたような拍手喝采に包まれつつ、仲井眞弘多による埋め立て承認を許さない!と集まった県民からのブーイングを受けながら、足早に県庁舎を去った。
そんな仲井眞弘多が4年後に、よくも「知事たる者」について語るのだから、呆れる。
本土メディアが沖縄県の「選挙イヤー」と称す今年11月、沖縄県知事選挙がある。
そして、沖縄県民は現職を再選させる‼︎
現職の翁長知事を「活動家」だとか「売国奴」と呼んで貶めようとする者たちは、4年前に翁長知事を選択した沖縄県民を貶めようとする連中であり、その多くは、沖縄県で選挙権がない「部外者」であるにも関わらず、選挙結果が自国の安全保障体制を左右しかねないという理由から、沖縄県民の選択に異様な関心を示していることは、既に指摘した。
そんな連中に担がれて、インタビューに応じたり、新年会に参加する仲井眞弘多よ、自ら吐いた言葉をそのまま返してやる!
おまえこそ、『いったい沖縄をどうしようとするのか』
仲井眞弘多という、『この人物は意味不明です』
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