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72年前のきょう 1945年5月6日 「連れていってください」

72年前の沖縄戦で重傷を負った日本兵に待っているのは、「死」のみである。

青酸カリを渡された者もいれば、手榴弾を握らされた者もいる。

助けたくても、助ける術がない。

物資が乏しい国に生まれ、その国が戦争という誤った道を歩んだために、

戦場へと送られて、そこで戦い傷を負った。

部隊が退却するときに、身動きがとれない者は置き去りにされる。

敵が目の前に迫る中、外地と呼ばれた右も左も見慣れない、

生まれ故郷とは全く違う南国の島で、

あちらでひとり、こちらでひとり…と、

置き去りにされた日本兵は、どんな思いを抱きながら死を待ったのか。

戦時しか知らず、軍国主義しか知らず、

自身という「個」はなく、

ただただ、「皇国」のために尽くした人生。

個人的な夢や希望を抱くなど、許されない時代。

重傷を負う前までは、恨みっこなしだと理解していても、

いざ、自分が置き去りにされると分かったとき、

その理不尽な状況を受け入れることができただろうか。

誰かを恨んだだろうか。

連れていってください、置いていかないでください、と泣いても、叫んでも、

そのような「個」の望みは叶わない。

それが沖縄戦という戦場の常識であり、

それが「戦争」である。

 

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