国家主義の政治家たちが政権を牛耳る日本

2017年4月22日
 
憲法第92条には、民主主義の根幹としての地方自治の基本原則が記されている。

だから、絶望的なまでにおぞましい。

「地域に主権があるとはおぞましいことだ」と垂れ流す自民党中谷氏ら、憲法の精神を全く理解していない者たちが、国民不在のまま勝手に日本国憲法を弄んでいるということ自体が。

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※ 写真は昨年の憲法審査会のもの。衆院憲法審査会で意見表明する中谷元前防衛相(左から2人目)=17日午前、国会・衆院第18委員室(斎藤良雄撮影)

 

主権を有するのは「国家」ではない、「国民」だ。

そしてその国民に一番身近にある政治体が地方政治だ。
だから地方政治は民主主義の根幹なのだよ。

 

そんなことも分かっていないようでは、

この国にあるのはもはや民主主義などではなく、
国家主義」ではないか。

 

ここで、沖縄大学の小林教授と中央大学の佐々木教授の提言を紹介したい。

いま、積極的にアカデミズムが動かないなら、
このまま日本は野蛮な国家主義に舞い戻りする。

研究室に閉じこもらない真の英知の力を
国民に明日への光として強く示してほしい。

 


 見過ごすわけにいかない。
 衆院憲法審査会での自民党中谷元氏の発言である。地方自治に関連して「地域に主権があるとはおぞましいことだ」と述べた。
 「国と地方の在り方」をテーマに開いた審査会である。参考人として招いた4人の専門家から考えを聞き、意見を交わした。
 その中で明治大の大津浩教授はこう述べた。
 地域主権には国民主権をより豊かにする意味がある。地域に暮らす市民が地方の政治に参加することを通じて国をよくしていく、という考え方は重要だ―。
 「おぞましい」はこの見解に反論する中での発言だ。中谷氏は「国の安全保障と、生命、暮らしを守る地方権限のあり方について、憲法にあらかじめ明記する必要がある」とも述べた。
 主権はあくまで国のもの。そのことを改憲ではっきりさせたい。そんな発想と受け取れる。
 その考えは正しいと言えるのか。答えは無論ノーだ。
 主権者である私たちは国民であると同時に地域住民でもある。地域主権はおかしな考えではない。中谷氏の考えに沿って憲法が変えられるようでは、地方の国への従属はさらに強まる。
 自民党改憲草案には「国および地方自治体は、法律の定める役割分担を踏まえ、協力しなければならない」とある。自治体の権限は制約され国への協力が義務付けられる。自治は空洞化する。
 少子化高齢化、過疎…。私たちがいま直面している問題はどれも、自治体の力と創造的な工夫を必要とする。地域主権を「おぞましい」と忌み嫌う発想では対応できない。
 審査会では参考人の何人かが沖縄の米軍基地問題に触れた。
 
 沖縄大の小林武客員教授は「沖縄の民意を一顧だにしないことは地方自治をないがしろにするもの」として、憲法95条を使った沖縄への大幅な権限移譲を提言した。一つの自治体だけに適用する特別法を定めるにはその自治体の住民投票過半数の同意が必要、とする条項である。
 
 中央大の佐々木信夫教授は沖縄を独立した州とし、自己決定できる仕組みにするよう提言した。
 
  沖縄の基地には国と地方の関係が集約的に表れている。憲法、そして自治の問題としても、辺野古移設の今後を注視したい。