母娘の成人式
2017年1月9日
■ 母娘の成人式 ■
日本の各地では、新成人らが晴れやかな衣装をまとい、
大人としての新たな門出を祝っている。
それぞれの家庭で、それぞれの祝い方があるのだろう。
先ほど、友人の家で各地の成人式の様子を報じるニュース報道を見ていたとき、友人の母親がつぶやいた。
「今の子供たちは、こんな綺麗な着物を着て…。羨ましいねぇ。」
友人の母親が20歳になったのは、敗戦から10年が過ぎたころ。
おしゃれ好きな彼女の母親。
もし、あの時代に振袖を着ることができていたら、着物の柄に負けないくらいお洒落して、みんなの注目の的となっていただろう。
友人の母親やその上の年代の人たちは、戦争に翻弄され、毎日を生き延びることで精一杯だった。振袖を着るなんて、そんな贅沢はできない時代。
そんな青春時代を過ごした友人の母親は、娘の成人式のために、赤い色の振袖を買ってあげたそうだ。
自分が二十歳のときには、着ることも買うこともできなかった振袖。娘には、自分ができなかったお洒落をして、成人式に出席して欲しかったようだ。
でも、そんな着物に込められた想いなど知らない友人は、「私は着物は嫌だ。成人式も行かない」と言いながらも、一生に一度のことだからと、しぶしぶ着て親戚一同に披露したらしい。
そんなエピソードを聞きながら、成人式の報道を見ていた。今年も、どの自治体の新成人が「荒れた」とか、「逮捕者が出た」とかいうものばかり。
だが、ニュースに出ない普通の成人式が、日本のあちこちで開催されており、各家庭で娘や息子の成長を祝っていることだろう。
下の記事は、昨日の琉球新報に掲載されたもの。
母親の愛情は、いつの時代も同じ。
新成人の皆さん。
おめでとう。
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