アッキーの祈り
2016年12月6日
偽善。
『「まずはこの写真をご覧ください。海辺に建てられる、15メートルもの巨大な壁。確かに私たちは、東日本大震災で津波のとてつもない破壊力を目の当たりにしました。しかしながら、それを防ぐためという名目で、このように巨大な壁が建設され、美しい海が破壊されるのかと思うと、私は悲しくなるのです」
そう話しながら、安倍昭恵・首相夫人が一枚の写真を見せると、会場に集まった100人近い聴衆からは、驚きとも悲鳴ともとれる声が上がった。
8月22日、ハワイ・ホノルルで開かれた「日米国際海洋環境シンポジウム」。海洋汚染や過剰漁獲など、海に関する諸問題を日米双方で確認し、その解決方法について協議するこの会議で、日本の代表を務めたのが、安倍昭恵・首相夫人だ。』
これは『「美しい海を、守って」安倍昭恵夫人・祈りのスピーチ』という現代ビジネスの記事の冒頭部分。
一瞬、辺野古新基地のことを語っているのかとまがう・・・。
『海辺に建てられる、15メートルもの巨大な壁』の写真を見た聴衆が、『驚きとも悲鳴ともとれる声』を上げたのは、東北に建設される防潮堤の写真だった・・・。
昭恵夫人のスピーチを聴いた聴衆は、その夫、安倍晋三が沖縄で推し進める辺野古新基地の完成図を見たら、どう反応するだろうか。
サンゴの森である辺野古大浦湾にコンクリートの壁を10メートルも重ねあげ、巨大な軍港と滑走路を作りあげる。
『驚きとも悲鳴ともとれる声』以上の反応をしてくれるだろうか。
しかも命を守るための壁ではない。戦争のための米軍基地だというのに。
この記事によると、シンポジウムの終盤で昭恵夫人は『「東北地方の防潮堤の問題だけでなく、日本ではほかにも海の自然に関する問題を抱えています。たとえば沖縄には、新たな基地を建設するかどうかで、自然保護の観点からも大変な議論が起こっています。政治的にも非常に繊細な問題なのですが、それについてもう一度考えてみるためにも、こうした会議を沖縄で開催するというのも、ひとつの案かもしれません」と話していた。』そうだ。
ぜひ、そうしてくれ。
夫の安倍晋三と共に参加し、聴衆の反応を見てくれ。
こんな「祈り」のスピーチをする限りは、それが偽善パフォーマンスに終わらないように、だ。